小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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マカバイ記 |
ユダヤに迫るヘレニズムの波(7) |
リシマコス |
Lysimachus |
■兄弟そろって……
エルサレムの大祭司メネラオスの兄弟。堕落したメネラオスに協力して悪行を働いた無頼漢。
大祭司の兄弟として大祭司の代理を務めることもあったが、その地位を利用して神殿の財宝を横領した。
悪事の噂は人々の間にも広まり、大勢の者が結集して彼に抗議したこともあったが、彼は少しも反省しなかった。
怒った群衆が暴動を起こしそうになると、リシマコスは3000人の兵士を動員して武力で弾圧を加えた。
この攻撃に対して、人々は手近にあった石ころや棒切れや灰を投げつけて対抗した。
群衆の数は兵士の数をはるかに上回っていたので、兵士たちの多くが深手を追い、ある者は打ち倒され、群衆はついに兵士たちを敗走させることに成功した。
リシマコス自身も神殿の片隅に追い込まれ、最後は人々に捕らえられて殺されることになった。
しかし、エルサレムで起こった暴動の知らせはアンティオコス4世の耳にも届き、結局シリア軍によって弾圧され、悪人の大祭司メネラオスを打ち倒すまでにはいたらなかった。
こうした事情が、やがてマカバイの乱を引き起こすことになるのである。 |
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