小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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マカバイ記 |
マカバイの反乱(14) |
ラジス |
Razis |
■凄惨なる自殺
紀元前2世紀のユダヤの敬虔な長老。ユダヤを苦しめるシリアの将軍ニカノルに抵抗して壮絶な死を遂げた。
ラジスはもともと熱心なユダヤ教徒として人々の尊敬を集め、「ユダヤ人の父」とも呼ばれていた。
このような人物を処刑すればユダヤ人への大打撃となると考えたニカノルは、あるとき500人もの兵を送ってラジスを逮捕しようとした。
ラジスは塔に逃げ込んだが、ニカノルの兵は塔を取り囲み、火を放った。
もはや逃げられないと思ったラジスは、むしろ潔い死を選ぼうと、自ら剣の上に身を投げた。
ところが、慌てた彼は急所を突き損じた。
このとき、兵たちが塔になだれ込んできたので、ラジスは高い城壁に駆け登ると群衆のいる地面に身を投げた。
地面に落ちた彼はそれでも死ぬことができず、すさまじい形相で立ち上がった。
彼は深手に苦しみ、体から血を吹き出しながら、今度は高い岩の上に立った。
そこで、彼ははらわたをつかみ出し、両手に握り、兵たちに投げつけた。
そして、将来における肉体の復活を祈りつつ息絶えたのである。 |
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