小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
販売開始しました。 |
|
《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
|
マカバイ記 |
ユダヤ・ハスモン王国の独立(3) |
アテノビオス |
Athenobius |
■その土地は誰のものだったのか
シリア王アンティオコス7世に仕えた、いかにも役人然とした高官。
アンティオコス7世はまだ王になる前にユダヤの独立を認めておきながら、王になるとその態度を変えたが、このとき王の使者としてユダヤに派遣された人物。
彼はシモンの前で王の言葉を伝えた。
「あなたたちはわたしの王国に属する都市、ヤッファとゲゼル、それにエルサレムの要塞をわが物顔に制圧している。またこれらの地域を荒らし、大きな損害を与え、またわたしの国の多くの土地を支配した。占領している諸市を速やかに返し、ユダヤ国外から取り立てている土地税を返還せよ。回答いかんでは、我々は戦いに訴えることも辞さない」。
ところが、シモンはこの要求をいかにも整然とした理屈でつっぱねた。
「我々は他国の土地を奪ったことも、他人の土地を支配したこともない。これは我々の先祖の遺産であるのに、不当にもある期間敵によって占領されていた土地である」。
こういわれたアテノビオスはひどく憤慨したが、返す言葉はなかった。こうして、アンティオコス7世とシモンの間に争いが勃発したのだった。 |
|
|