小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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マカバイ記 |
マカバイの反乱(13) |
ニカノル |
Nicanor|「征服者」|ギリシア語 |
■おれは地上の支配者だ
デメトリオス1世に仕えた傲慢なシリアの将軍。大祭司アルキモスの悪行のせいで、ユダヤにおけるマカバイ一党の抵抗運動が激しくなったとき、デメトリオス1世によってユダヤ人殲滅を命じられた。
彼は王の命令にも関わらず、当初はマカバイの指導者ユダと和平を結ぼうとしたが、王に非難されると態度を急変し、極悪人の本性を現した。ニカノルはエルサレム神殿に出向いて豪語した。
「もし囚人ユダを引き渡さないなら、この神の聖域を跡形もなく打ち壊し、祭壇を粉々に破壊し、ここに目もくらむようなディオニソスの神殿を建ててやる」。
ユダたちがサマリアにいることを知ると、ニカノルはユダヤ教の安息日に攻撃しようと考えた。
このとき、無理に彼に従わされていたユダヤ人が反対するとニカノルはいった。
「安息日を守れと命じた支配者が天にいるとでもいうのか。かく言うおれも地上の支配者だ。だから、お前たちに命じるのだ」。
しかし、紀元前161年、エルサレム北方でマカバイとの戦いが始まると、ニカノルは真っ先に死んでしまった。 |
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