小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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福音書 |
洗礼者ヨハネの物語(5) |
サロメ |
Salome|「平和な」|ヘブライ語 |
■洗礼者ヨハネを殺した踊り
ガリラヤの領主ヘロデ・アンティパスの後妻ヘロディアと前夫との間の娘。
聖書には名は記されていないが、義父アンティパスが洗礼者ヨハネの首を切るように仕向けたことで知られる。
父王アンティパスの誕生日のこと。
大勢の人々が招かれた宴会の席でサロメは踊りを披露し、義父を喜ばせた。アンティパスは娘に誓って約束した。
「欲しいものがあれば何でもいいなさい。お前が願うなら、この国半分でもやろう」。
サロメは母ヘロディアに相談した。
ヘロディアは、自分とアンティパスとの結婚を非難したことでヨハネを憎んでいたので、ここぞとばかり「洗礼者ヨハネの首を」といった。
サロメは王のところに行くと願った。
「今すぐに洗礼者ヨハネの首を盆に載せて、いただきとうございます」。
アンティパスはヨハネが偉大な預言者であることを知っていたので大いに心を痛めたが、大勢の客の手前、約束を破れなかった。
そこで彼は衛兵を遣わして牢の中でヨハネの首をはねさせた。衛兵はそれを盆に載せて持ってきて、サロメに渡したのである。 |
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