小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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使徒言行録 |
使徒パウロの伝道旅行(9) |
デメトリオ |
Demetrius|「デメテルに属する」|ギリシア語 |
■女神の名を呼び続ける
エフェソに住んでいた銀細工師。パウロが第3回宣教旅行でエフェソに滞在中に、キリスト教に反乱を企てた。
デメトリオはギリシアの女神アルテミスの神殿の模型を銀で造って大儲けしていたので、キリスト教が気に入らず、あるとき職人仲間を集めていった。
「諸君、御承知のように、この仕事のおかげで我々はもうけているのだが、諸君が見聞きしているとおり、あのパウロは『手で造ったものなどは神ではない』と言って、エフェソばかりでなくアジア州のほとんど全域で、多くの人を説き伏せ、たぶらかしている。これでは、我々の仕事の評判が悪くなってしまうおそれがあるばかりでなく、偉大な女神アルテミスの神殿もないがしろにされ、アジア州全体、全世界があがめるこの女神の御威光さえも失われてしまうだろう」。
これを聞くと人々は腹を立て、「エフェソ人のアルテミスは偉い方」と何時間にも渡って叫び続け、町中が混乱したのである。
ただし、町の書記官が人々をなだめたので、パウロたちに直接の被害がおよぶことはなかった。 |
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