小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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使徒言行録 |
使徒パウロの伝道旅行(10) |
エウティコ |
Eutychus|「幸福な」|ギリシア語 |
■説教中の居眠り
小アジアのトロアスに住む若く無邪気なキリスト教徒。一度死んだが、パウロによって生き返らされた。
第3回宣教旅行でギリシアにまで赴いたパウロが、その帰り道にトロアスに滞在していたときのこと。
日曜日の聖餐式にキリスト教徒が集まると、パウロは家の3階の広間でたくさんのともし火をつけて夜中まで話し続けた。
エウティコも窓に腰をかけてこの話を聞いていた。
ところが、パウロの話が長々と続いたために、エウティコは眠気を催し、そのうち眠りこけて3階の窓から地面に落ちてしまったのである。
人々が慌てて駆け寄ったときはもう死んでしまっていた。
しかし、パウロは階下に降りると青年を抱き起こし、「騒ぐな、まだ生きている」といった。
それから、人々は何事もなかったように階上の部屋に戻ると、それまでどおりパンを裂いて食べ、パウロは夜明けまで話し続けた。
その間に青年は完全に元気を取り戻し、人々はほっとしたのである。 |
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