小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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列王記・歴代誌 |
王国の衰退と預言者たちの活躍(6) |
ヨラム |
Joram|「神は高貴」|ヘブライ語 |
■明日はわたしの子供を食べましょう
イスラエル王国第9代国王(在位、前851~845年)。アハブ王の息子。不幸な王で、治世の間じゅう反乱や戦争の対応に追われ続け、最後は軍司令官イエフのクーデターで殺された。
アラム国王ベン・ハダド2世に首都サマリアを包囲されたときは、ヨラムは絶体絶命の危機に陥った。
この時期、サマリアは飢饉に襲われていたが、アラム軍の包囲によって事態はいっそう深刻になった。物価は高騰し、ろばの頭1個が銀1kg、鳩の糞0.3リットルが銀50gで売られた。
あるとき、王が城壁の上を歩いていると、1人の女が訴えてきた。
それによると、その女は別の女と互いの子供を食べる約束をし、まず自分の子供を煮て食べた。ところが、その翌日に相手の子供を食べようとすると、その女は自分の子供を隠してしまったというのである。
王はこんな事態になったのを大いに嘆いた。この時代には預言者エリシャが活躍しており、ヨラム王は何度も助けられたが、こんなに悪いことが起こるのは預言者が怠慢だからだと考え、このときばかりはエリシャを憎んで彼を殺そうとさえした。
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