小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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エレミヤ書 |
預言者エレミヤの物語(2) |
パシュフル |
Pashhur|「自由」|ヘブライ語 |
■恐怖が四方から迫る
紀元前6世紀、ヨヤキム王時代のユダ王国エルサレム神殿の最高監督者で祭司。愛国主義的ユダヤ教徒で、頑迷なところがあった。
あるとき、預言者エレミヤが神殿の庭に立って人々にいった。
「イスラエルの神、万軍の主はこういわれる。見よ、わたしはこの都と、それに属するすべての町々に、わたしが告げたすべての災いをもたらす」。
ヨヤキム王時代は、新バビロニア帝国がユダ王国を脅かし始めた時代であり、エレミヤの言葉はユダ王国の敗北を預言するものだった。
愛国者だったパシュフルはこれを聞いて大いに腹を立てた。彼はエレミヤに暴行を加えると、神殿近くの門に一夜拘留した。
翌日釈放されたエレミヤはパシュフルにいった。
「主はお前の名をパシュフルではなく、『恐怖が四方から迫る』と呼ばれる」。
さらに、エレミヤはこれに続けてバビロン捕囚まで預言した。
「主はこう言われる。……わたしはユダの人をことごとく、バビロンの王の手に引き渡す」。
しかし、パシュフルはこれ以上はエレミヤを罰しなかったようだ。 |
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