小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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列王記・歴代誌 |
世界帝国アッシリアとユダ王国(7) |
エルヤキム |
Eliakim|「神の力が増しますように」|ヘブライ語 |
■城壁の上で民が聞いている
紀元前7世紀ころ、ユダのヒゼキヤ王に仕えていた宮廷長。アッシリア王センナケリブの使者ラブ・シャケがユダ王国の首都エルサレムを訪れたとき、代表団の一員として応対した、生真面目で臆病な人物。
ラブ・シャケは高慢な男で、いかにも高圧的な態度でヒゼキヤ王のことを非難したが、これを聞いただけで、エルヤキムはそわそわと落ちつかない様子になった。
話し合いはエルサレムの城壁の近くで行われたが、城壁の上には町の住人たちが集まって、その様子を見守っていたからだ。
エルヤキムとしては、話し合いの内容を人々に知られたくなかったのである。
「僕どもはアラム語が分かります。どうぞアラム語でお話ください。城壁の上にいる民が聞いているところで、わたしどもにユダの言葉で話さないでください」。
しかし、エルヤキムの頼みは完全に無視されてしまった。
ラブ・シャケは最初からそれが目的だったかのように、話し合いの間じゅうずっと同じ言語で話し続け、エルヤキムはただおろおろしながらそれを聞き続けた。
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