小説
イオの末裔
〔Kindle版〕
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《内容》
教団拡大のために凶悪な犯罪もいとわない《鬼神真教》の教祖・サヤ婆(鬼塚サヤ)の孫として生まれた鬼塚宏樹(主人公=私)は鬼塚一族の残酷な行為を嫌って一族の家から逃亡し、裏切り者として追われる身になる。その恐怖から彼は各地を転々として暮らすしかない。やがて彼は大都市のK市である女に出会い、一時的に幸福な暮らしを手に入れる。だが、そんなある日、大都市の町中でサヤ婆を狂信する磯崎夫妻の姿を見つける。そのときから、彼の恐怖の一日が始まる。恐るべき鬼塚一族の人々が次々と彼の行く手に出現する。…、そして、彼の逃亡がまた始まる。はたして、彼は逃げ切れるのか。鬼塚一族の魔の手を逃れ、自由な暮らしを手に入れられるのか。 |
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エレミヤ書 |
預言者エレミヤの物語(11) |
イルイヤ |
Irijah|「神がご覧になるように」|ヘブライ語 |
■裏切り者を地下牢に閉じ込める
紀元前6世紀ころのユダ国王ゼデキヤの守備隊長。宮廷内の反バビロニア勢力の一員で、バビロニア帝国への降伏を説いていた預言者エレミヤを嫌う頑固者だった。
ゼデキヤ王はユダ王国最後の王で、その治世の末期にバビロニア軍にエルサレムを包囲されるという大事件があった。
この包囲が一時的に解かれたとき、エレミヤは親族の所有地の相続問題を片付けるためにエルサレムを出ようとした。
これを見とがめたのがイルイヤだった。
「お前はバビロニア軍に投降しようとしている」。
エレミヤは否定したが、イルイヤは聞き入れず、彼を役人たちのところに連れて行った。
ここにいた役人たちはみなエレミヤを嫌う連中で、以前から彼を死刑にするようにと王に訴えていた。
彼らはイルイヤの話を聞くと大いに激怒し、エレミヤに暴行を加え、地下牢に閉じこめた。この地下牢はもともと水溜だった場所で、幸いにも水はなかったが底に泥がたまっていた。エレミヤはその泥の中に綱でつり下ろされ、長期間拘留されたのである。 |
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